溜息の沼

愚考

シン・ゴジラ 考察

はい、少し遅れての参戦です。
本当に素晴らしいシン・ゴジラ。今回は感想ではなく考察を中心につらつらと、、。


さて、エヴァンゲリオンでお馴染みの庵野秀明監督作品です。
今作は「アンチテーゼ」がテーマなのではないでしょうか?

まず「シン」について。
これはエヴァンゲリオンの「最後のシ者」に通づるものがあると思います。
「死者」であり「使者」であったカヲル君のことです。
では今作の「シン」は何でしょうか?

それは「真」であり「新」であり「神」なのですよ。

前回、アメリカ版ゴジラがリブ−トされました。渡辺謙のやつです。
あれを見て「こんなのゴジラじゃねぇ!!」ってなったんでしょうか?そして「これが本物や!」と言えるものを作った。だから「真」なのです。


次。僕はゴジラ・ミレニアム世代なので詳しいことはわかりかねますが、今作は初代のリスペクトを多分に含んだものだというには理解できました。そんな懐古主義でありながら、vfxや兵器、背景などは常に新しいもので作られています。リアリティな破壊は特撮のまま、しかし違和感なくCGと合わせる技術、、
これこそ「新」たるものでしょう。

次。「神」ですね。
これは言わずもがな、地球の生物の頂点に立ち、かつ1個体として成立する。
ゴジラは神そのものってとこです。
まぁそんな神たるものを生み出してしまう要因を作った人間ってどうなん?って話なんですが。
ここら辺の神云々はアメリカ版ゴジラに似るところがあるでしょう。まぁgodzillaですから、godですから。

今作は日本のあらゆる力が集結しています。それは作品内だけではなく、現実でも、、です。
あらゆる企業や関係各所の手伝い、参考があり、初めて成り立っていると感じました。
スタッフロールであんなに企業の名前は見た事ないです。
作品内では、日本が日本のために死力を尽くしました。
「日本はまだまだやれる!」とも取れるメッセージだったと思います。米国からの圧力に屈せず、我を通す姿勢。これが今の日本に足りないものだと言わんばかりのアンチと僕は受け止めます。

そんな日本らしさを考えると、ゴジラのアクターに野村萬斎ってのも少し洒落てますね。


庵野秀明監督の引き出しを存分に楽しめる映画でした。過去の代表作へのリスペクトを忘れない姿勢は、どこか荒木飛呂彦先生の意見に通じるものを感じました。もちろんそれは今作だけでなく、エヴァ3,0でも見て取れました。(BGMなんか特にね!)


最後のシーンは深くは考えてません。あれはファンサービスに近いものと考えています。
あえてこじ付けるなら、G細胞は万能で、自分の手足となる尖兵を生んだと読むのが妥当でしょう。
その形の最適解は人型であるというのは、自分を苦しめた敵(人類)を模すのも理解できます。

このG細胞云々はエヴァVSゴジラでやってくれりゃー満足です。
今回はあくまでも「絶望を前に足掻く人間たち」がメインですから。

映画とかに感情が乗りやすい人は、このアツさにきっと泣くでしょう。僕は泣いた。男泣きした。
お涙頂戴なんかではなく、心のそこから震える気持ち。男とか女とか関係なく、この熱を感じて欲しい。

本当にいい映画でした!!!!!終わり!!!!!