溜息の沼

愚考

ダンケルク

クリストファー・ノーラン監督という事で、めっちゃ楽しみにしてたんですよ。

ところがいざ見てみれば、まぁまぁ普通。なんだったらつまらんレベル。
ノーランの作品といえば、最近は「ダークナイト」や「インターステラー」などのSFのイメージがありまして、今回は実話を基にしてるっていう。

ノーランの映画では、内容も伏線と驚きがあるいい作品ばかりなんですが、今回は特段なし。
今までの作品の通り、映像は凄い。でもそれだけな気もする。
より良い映像にこだわった結果、CGをあまり使わず実写に拘ったらしいですが、それが歴代より見劣りする形になってしまいました。

かるくネタバレしますと、陸海空それぞれの3人、それぞれのエピソードがダンケルクという戦場で交差していく話です。
ハッピーエンドだとかバッドエンドだとか、実話を基にしてるというのもあり、そこらへんはご愛嬌。
何が正解で何がダメだったのかなんてのは二の次です。
あえていうならハッピーエンド、斜に構えて見れば「戦争の時点でバッド」です。

実際に船を沈めたり、飛行機を落としたり爆発させたり、西部警察黒澤明に通ずる撮り方・魅せ方だったと思います。
でも僕はCGが好きなので今回は残念。
リアリティだとかそんなんはいらんです、必要なのは脚本のドラマ性とリアルを超えた映像。
そこんところでも、今回のダンケルクは残念です。

アメリカンスナイパーという映画がありまして、まぁこれも実話を基にしたリアリティのある作品なんですが…

僕はこれがとても嫌い。良さが全然分かりませんでした。
きっと、アメリカンスナイパーが好きな人はこのダンケルクはすごく合うと思います。

僕は「実際にあった話」みたいなのは普通に嫌いなので合いませんでしたが、ダンケルクはアメリカンスナイパーみたいな映画なので、合う人は合うかなと。

ただ、この作品はIMAXで見てほしい。
作品の質感を、大画面とリアルなサウンドで聞いてほしいです。
その部分だけはきっと「良いもの」だったと思います。

さよなら